2025.04.192025年度 刈谷市国際交流協会総会を開催しました
2025年度 刈谷市国際交流協会総会を開催しました。日頃よりご支援いただいている会員の皆様、総会にご出席くださった会員の皆様に、あらためて感謝申し上げます。また総会後には、弁護士の知念友介氏による講演会も開催しました。
○日 時: 4月19日(土)午後2時~
○場 所: 社会教育センター ホール
(刈谷市民交流センター4階)
総 会
1.会長挨拶 刈谷市国際交流協会 鈴木 文三郎 会長
2.議 事
①2024年度刈谷市国際交流協会事業報告
②2024年度刈谷市国際交流協会収入支出決算
〔監 査 報 告〕
③2025年度刈谷市国際交流協会事業計画
④2025年度刈谷市国際交流協会収入支出予算
議事の進行は鈴木会長が行い、審議の結果全ての議案が原案の通り承認されました。議事が終了した後、稲垣市長、外山市議会議長、酒井参議院議員より祝辞をいただきました。ご登壇いただいた来賓の皆様、会場にお越しいただいた会員の皆様、ありがとうございました。
講演会
講 師:知念 友介氏(弁護士)
演 題:これからの共生社会 ~弁護士の私が思うこと~
総会終了後は、弁護士の知念友介氏をお招きし講演会を開催しました。ブラジル人を両親に持つ知念氏は、どのような道のりを経て弁護士になったのでしょうか。
子ども時代はゲームばかりだった知念氏。親の携帯電話の契約で子どもながらに通訳をしなければならず、日本で生きていくうえでは理解が不十分なまま書類にサインしなければならない現実を突きつけられます。「どうすれば自分の力で家族を支えることができるのか。」そんな思いを強く抱くようになったとき、弁護士という職業をテレビで目にし、弁護士を志すようになりました。
国語よりも数学や理科が得意だった知念氏は、高校の先生に弁護士以外の選択肢もあるというアドバイスを受けましたが、それでも夢をあきらめることはありませんでした。その支えになったのは、母親の応援と励まし、そして中学時代の恩師の「夢があるなら目指してみてもいいんじゃないか」という言葉でした。知念氏は、周囲の人が自分の夢を信じてくれたことが原動力となり、自分の将来を真剣に考え応援してくれたことが支えになったと説きます。
会場の私たちには「どうか子どもたちの夢を支えてあげてほしい」、そして子どもたちには「夢をあきらめないで」というメッセージを伝えてくれました。
また、知念氏は弁護士として日々様々な相談をうけています。その多くは外国とかかわりのある個人や企業のもの。弁護士として見えてくる現実についてもお話ししてくれました。
外国人同士のトラブル、破産問題、家族問題、金銭トラブル、交通事故など、扱う内容は多岐にわたります。中には、契約や法律手続きへの理解の浅さが原因となるトラブルや、何か起きたときに相談先が分からず上手くいかないこと、また日本語ができる同郷の外国人を信用しきってしまうことによる問題など、日本語能力によるものはもちろん、日本の文化、法律への理解が足りないがゆえの案件も多く存在するそうです。
知念氏は、外国人側が努力することと、支援者の存在があることの重要性を訴えました。そして対等な立場でお互いに学び支え合った先に、信頼関係ができ、そこに多文化共生社会が生まれるということを提言してくれました。
刈谷市の外国人住民数は年々増加しています。知念氏の言葉にもあったように、「一方的な」支援関係ではなく、対等な立場で信頼関係築いていくこと、それが刈谷市の多文化共生実現の大きなヒントになりそうです。
知念氏の今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。






【講師プロフィール】
ブラジル人の両親のもと富山県で生まれ、家庭ではポルトガル語、外では日本語を話しながら育つ。早稲田大学大学院法務研究科を修了後、メーカー系企業で営業職として勤務しながら司法試験の勉強を続け、2022年9月に合格。2024年1月より大嶽達哉法律事務所に所属し、外国と関わりのある個人や企業の相談を多く扱う。ポルトガル語と日本語のバイリンガルとして、外国籍の方の交通事故、債務整理、労働問題などの一般民事や国際取引に関する法務を担当。外国籍の生徒が多い高校で講演も行い、個人が直面する法的課題について発信するとともに、子どもたちが自身の進路に希望を持てるようなメッセージを伝えている。