2025.07.262025年度前期 日本語教室ボランティア入門講座

刈谷市国際交流協会(KIFA)では、地域での社会貢献に興味がある人やKIFAV日本語教室にボランティアとして参加したい人を対象に、年に2回「日本語教室ボランティア入門講座」を開催しています。今回は以下の日程で行い、現在教室で活動中のボランティアが講師を務めました。

■日 時 :①7月26日 (土)   16:30~19:15
       ②8月 2日 (土)  13:30~15:30
       (全2回)
■場 所 :刈谷市民交流センター
       (国際プラザ・社会教育センター)

○講座内容
【1日目】
・KIFA紹介/この地域の外国人住民の状況について
・教室活動紹介
・グループワーク
・スリーエス(外国につながりを持つ子どもたちの学習支援団体)について
・KIFAの日本語支援体制について
・教室見学

【2日目】
・教室見学の感想発表
・国語(学校)教育と日本語教育の違いについて
・先輩ボランティアとの意見交換会
・講座終了後、ボランティア登録

1日目、刈谷市国際交流協会について、地域に住む外国人住民の状況や特徴についての説明を聞きました。日本語支援グループリーダーから教室活動についての紹介説明を聞いた後はグループワークを行いました。自己紹介で緊張がほぐれた後は、「日本人、外国人って何?」というテーマで話し合いました。
教室の最後には、実際の日本語教室の様子を見学しました。最近の土曜教室は15~20人程度の学習者と20名程度のボランティアが参加しています。クラスは入門、初級(みんなの日本語6~50課)、会話中心のクラスなど、学習者のニーズによって細かく分かれており、受講者の皆さんは各クラスの様子を熱心に見学していました。

2日目には先輩ボランティアとの意見交換会を行いました。ここまで聞いた説明や教室見学によって感じた疑問や不安、ボランティアの皆さんがどんな思いで教室に参加しているかなど、たくさんの先輩ボランティアが協力してくれて意見を交換しました。

新ボランティアの皆さん向けには、ボランティア登録後、実際の教室活動に向けての具体的な教え方や教室の進め方を学べるフォローアップ講座を実施していきます。その後、各曜日の教室に参加したり見学したりした後、9月から本格的に教室活動に参加していただく予定です。

2025.07.25クラシックギターと歌のコンサート チェコからの贈り物 ~Music For You~

NPO一期一会共催
国旗:チェコ共和国-thumb-128x85-3041.gifのサムネイル画像「チェコからの贈り物
                  ~Music For You~」

2025年7月25日、親子で一緒に楽しめるコンサートを開催しました。チェコと日本の歌の数々に彩られたこのコンサートには、100名を超える皆様にご来場いただき、世代を越えて音楽の魅力を満喫するひとときとなりました。

当日は、チェコから招いた演奏家たちが、クラシックギターのソロやデュエット、歌との共演を通じて、プラハの香り漂う音楽の世界をお届けしました。演奏された楽曲は、ジュリアーニ、モーツァルト、スメタナ、ドヴォルジャークといったチェコやヨーロッパの巨匠たちの作品に加え、日本のなじみ深い歌も登場し、会場は終始あたたかな雰囲気に包まれました。

◆日時:2025年7月25日(金)14:00~15:30
◆場所:刈谷市民交流センター2F 国際プラザ ラウンジ
◆出演:マルティン・クレヘナッチ氏(クラシックギター演奏家)
      ヤン・ヤンダ氏(オペラ歌手/クラシックギター演奏家)
◆司会:クレヘナッチ 夕湖 氏(NPO一期一会)
◆参加人数:107名

〈体を動かして感じる音楽の世界 ― 子供向けプログラム〉
 最初の30分は、幼稚園児や小さなお子様にも楽しんでいただける参加型プログラム。ギターの音楽と歌に合わせて体を動かすことで、音楽との自然なふれあいを体験できました。司会を務めたクレヘナッチ夕湖さんは、チェコの人気アニメキャラクター「クルテク(もぐらくん)」のぬいぐるみを手に、優しく子どもたちに語りかけながら進行。日本でも親しまれている「山のポルカ」や「おお牧場はみどり」が実はチェコの民謡であることも紹介され、演奏に合わせて会場全体が一体となって歌いました。

〈本格的なクラシックの響き ― 後半プログラム〉
 休憩を挟んだ後半は、クラシックギターの深みある響きと、オペラ歌手による力強く美しい歌声をじっくり堪能できるプログラム。ジュリアーニ、スメタナ、モーツァルト、ドヴォルザークなどの名曲に加え、日本の民謡や歌謡曲も織り込まれ、懐かしく温かい音楽が会場に広がりました。終盤では、来場者全員で「ふるさと」を合唱し、心に残る締めくくりとなりました。

~演奏プログラム一覧~
1.Polonéza/ポロネーズ(ジュリアーニ/イタリア)
2.Každý jen tu svou/それぞれが自分のものだけを
                     (スメタナ/チェコ)
3.浜千鳥(日本民謡)
4.Čerešničky/さくらんぼちゃん(チェコ民謡)
5.Doudlebská polka/山のポルカ(チェコ民謡・舞曲)
6.Šla Nanynka do zelí/ナニンカはキャベツ畑へ行った
                         (チェコ童謡)
7.Jedna dva tři čtyři pět/いち・に・さん・し
8.Ej, Lučka Široká/おお牧場はみどり(チェコ民謡)
休憩
9  .Rossignol/ナイチンゲール(ルネサンス)
10.Malats/マラッツ(スペイン)
11.Dvořák/(ドヴォルザーク/チェコ)
12.Shebeg(オキャロラン)
13.オシリス(モーツアルト)
14.ドンジョバンニ(モーツアルト)
15.城ヶ島の雨(日本)
16.待ちぼうけ(日本)
アンコール
17.ふるさと

 音楽を通じて国境を越えた心の交流が生まれ、笑顔あふれる特別な一日となりました。ご来場いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

2025.06.14KIFAV文化交流グループ イベント たなばた

愛知教育大学に所属する留学生(10名)と、日本の夏の体験としてたなばたの文化をいっしょに楽しみました。
○日 時: 2025年6月14日(土)10:45~12:45
○場 所: 国際プラザ
○参加者:24人 (愛教大留学生10人:中国、インドネシア、
       ボツワナ。 KIFAボランティア14人)

留学生の皆さんには、以下の3点の日本文化を体験してもらいました。
1.ゆかた体験(ボランティアが留学生に浴衣を着付ける)
2.七夕体験(短冊に願い事を書いて、笹に飾る)
3.五目ちらし寿司を一緒に作り、日本伝統の食文化に触れながら交流を楽しむ

着物と浴衣の違い、お寿司の種類などの日本文化の解説も交えながら、留学生に食べる、着るという日本文化を体験していただきました。今春に来日したばかりで、「日本の伝統衣装を着るのは初めて!」という留学生も多く、嬉しそうに写真を撮っている姿が見られました。
また、ちらし寿司を一緒に盛りつけ、食事をしながら交流することで、言葉や文化、年齢の壁を越えた親睦を深めることができました。食べる際に、初めて見る『かんぴょう』に恐る恐る一口食べて、「美味しい!」と笑顔になる留学生の表情を見て、安心するとともに、かんぴょうを食べ慣れない外国の方から見れば得体の知れない謎の茶色い物体であったと気づかされました。

ボランティアに興味がある方、何か新しいことを始めたい方、刈谷市周辺に住む外国人の方と交流したい方、ぜひ私たちのボランティア活動に参加してみませんか。お問い合わせをお待ちしております。

2025.06.01刈谷初期日本語教室「はなそう にほんご」 日本語パートナー説明会

刈谷市国際交流協会では、刈谷市内に住む日本語がほとんどわからない外国人住民を対象にした対話型の日本語教室「はなそう にほんご」を開催しています。2025年度は第1期は6月22日(日)から8月31日(日)まで教室を実施します。

この教室では、地域に住む日本語がほとんど話せない外国人住民が、身近な話題について日本語で話せるようになることを目指しています。教室の開始に先立ち、学習者と対話しながら日本語学習の支援を行う「日本語パートナー」についての説明会を開催しました。

日本語パートナー説明会

日 時:6月1日(日)13:30~16:30
場 所:刈谷市国際プラザ 201会議室
    (刈谷市民交流センター2階)
参加者:11名
パートナー登録者:10名

内容

説明会では、以下のような多角的な視点から「はなそう にほんご」教室の意義と役割について紹介しました。
[刈谷市 市民協働課より]
 ●刈谷市の外国人住民の状況
 ●多文化共生に関する施策
 ●外国人コミュニティ
 [刈谷市国際交流協会より]
 ●教室実施状況・背景
 ●教室の目的と概要
 ●刈谷市国際交流協会における
   日本語学習支援体制
[刈谷市地域日本語教育コーディネーターより]
  ●対話型とは?/なぜ対話型?
 ●コミュニケーションの方法
 ●ワーク1:「異言語体験」
 ●教材の使い方
 ●クラス活動/コースの流れ
[教室コーディネーターより]
  ●模擬体験                   

 この教室は、2019年度に刈谷市で実施された愛知県モデル事業をきっかけに、2020年度より刈谷市国際交流協会の多文化共生事業の一環としてスタートしました。
 刈谷市が掲げる「多文化共生」とは、「国籍や民族などの異なる人々と日本人が、互いの文化的違いを認め合い、対等な関係を築きながら、地域社会の構成員として共に生きていくこと」であり、2024年には「第2次刈谷市多文化共生推進計画」も策定されています。

 学習者とペアになって対話を行う「日本語パートナー」は、相手の言いたいことを尊重しながら、互いの理解を深める役割を担います。
教室ではさまざまなトピックを通じて、参加者同士が自分のことを語り合い、相手の文化や背景に関心を持つきっかけにもなっています。

 協会では、教室コーディネーターや地域の協力者と連携しながら、外国人住民の日本語学習と地域とのつながりを支援し、刈谷市における多文化共生の推進に取り組んでいます。
 なお、2025年度第2期の「日本語パートナー説明会」は、11月2日(日)に開催を予定しています。ご興味のある方は、ぜひご参加ください。

刈谷初期日本語教室「はなそうにほんご」 
2025年度第1期

日時:2025年6月22日~8月31日の毎週日曜日
     (全10回)13:30~15:00
    ※8月10日は休み
場所:刈谷市国際プラザ ラウンジ




2025.04.19 KIFA 親善ボランティア交流会

4月19日(土)、2025年度の総会・講演会終了後、国際プラザラウンジにてKIFA親善ボランティア交流会が開催されました。 当日は協会親善ボランティアに加え、「はなそう にほんご」教室コーディネーター&日本語パートナー、スリーエスのメンバーの、計17名が参加しました。

はじめに、親善ボランティア各グループから、活動紹介や今年度の活動予定についての報告がありました。 今年度も楽しい企画が盛りだくさんの予定です。今後の活動は随時協会HPや公式LINEでお知らせしていきますので、お楽しみに!
グループの活動紹介の後は、各グループの所属メンバーがそれぞれボランティアを始めたきっかけや、思い出に残る活動中のエピソードなどを含めた自己紹介を行い、あまり会うチャンスのない他グループの仲間たちの新たな魅力を発見することができました。

短い時間ではありましたが、お互いのグループの活動についてや各々の思いを知ることで、グループ間の横のつながりを強化し、さらなる活発な活動が期待される素晴らしい機会となりました。

ボランティアに興味がある方、何か新しいことを始めたい方、刈谷市周辺に住む外国人の方と交流したい方、ぜひ私たちのボランティア活動に参加してみませんか。 
お問い合わせをお待ちしております。

2025.04.192025年度 刈谷市国際交流協会総会を開催しました

2025年度 刈谷市国際交流協会総会を開催しました。日頃よりご支援いただいている会員の皆様、総会にご出席くださった会員の皆様に、あらためて感謝申し上げます。また総会後には、弁護士の知念友介氏による講演会も開催しました。

○日  時: 4月19日(土)午後2時~
○場  所: 社会教育センター ホール
     (刈谷市民交流センター4階)

総 会

1.会長挨拶  刈谷市国際交流協会 鈴木 文三郎 会長
2.議  事
  ①2024年度刈谷市国際交流協会事業報告   
  ②2024年度刈谷市国際交流協会収入支出決算
    〔監 査 報 告〕  
  ③2025年度刈谷市国際交流協会事業計画
  ④2025年度刈谷市国際交流協会収入支出予算

議事の進行は鈴木会長が行い、審議の結果全ての議案が原案の通り承認されました。議事が終了した後、稲垣市長、外山市議会議長、酒井参議院議員より祝辞をいただきました。ご登壇いただいた来賓の皆様、会場にお越しいただいた会員の皆様、ありがとうございました。

講演会
 
講 師:知念 友介氏(弁護士)
 演 題:これからの共生社会 ~弁護士の私が思うこと~

 総会終了後は、弁護士の知念友介氏をお招きし講演会を開催しました。ブラジル人を両親に持つ知念氏は、どのような道のりを経て弁護士になったのでしょうか。
子ども時代はゲームばかりだった知念氏。親の携帯電話の契約で子どもながらに通訳をしなければならず、日本で生きていくうえでは理解が不十分なまま書類にサインしなければならない現実を突きつけられます。「どうすれば自分の力で家族を支えることができるのか。」そんな思いを強く抱くようになったとき、弁護士という職業をテレビで目にし、弁護士を志すようになりました。
国語よりも数学や理科が得意だった知念氏は、高校の先生に弁護士以外の選択肢もあるというアドバイスを受けましたが、それでも夢をあきらめることはありませんでした。その支えになったのは、母親の応援と励まし、そして中学時代の恩師の「夢があるなら目指してみてもいいんじゃないか」という言葉でした。知念氏は、周囲の人が自分の夢を信じてくれたことが原動力となり、自分の将来を真剣に考え応援してくれたことが支えになったと説きます。
会場の私たちには「どうか子どもたちの夢を支えてあげてほしい」、そして子どもたちには「夢をあきらめないで」というメッセージを伝えてくれました。
 また、知念氏は弁護士として日々様々な相談をうけています。その多くは外国とかかわりのある個人や企業のもの。弁護士として見えてくる現実についてもお話ししてくれました。
外国人同士のトラブル、破産問題、家族問題、金銭トラブル、交通事故など、扱う内容は多岐にわたります。中には、契約や法律手続きへの理解の浅さが原因となるトラブルや、何か起きたときに相談先が分からず上手くいかないこと、また日本語ができる同郷の外国人を信用しきってしまうことによる問題など、日本語能力によるものはもちろん、日本の文化、法律への理解が足りないがゆえの案件も多く存在するそうです。
知念氏は、外国人側が努力することと、支援者の存在があることの重要性を訴えました。そして対等な立場でお互いに学び支え合った先に、信頼関係ができ、そこに多文化共生社会が生まれるということを提言してくれました。

刈谷市の外国人住民数は年々増加しています。知念氏の言葉にもあったように、「一方的な」支援関係ではなく、対等な立場で信頼関係築いていくこと、それが刈谷市の多文化共生実現の大きなヒントになりそうです。
知念氏の今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

【講師プロフィール】
ブラジル人の両親のもと富山県で生まれ、家庭ではポルトガル語、外では日本語を話しながら育つ。早稲田大学大学院法務研究科を修了後、メーカー系企業で営業職として勤務しながら司法試験の勉強を続け、2022年9月に合格。2024年1月より大嶽達哉法律事務所に所属し、外国と関わりのある個人や企業の相談を多く扱う。ポルトガル語と日本語のバイリンガルとして、外国籍の方の交通事故、債務整理、労働問題などの一般民事や国際取引に関する法務を担当。外国籍の生徒が多い高校で講演も行い、個人が直面する法的課題について発信するとともに、子どもたちが自身の進路に希望を持てるようなメッセージを伝えている。

2025.02.16生活日本語教室 / "SEIKATSU" Japanese Class

あなたがもし外国に住むことになったとしたら、どんなことが心配でしょうか。ごみの分別ってどうするの?もし災害に遭ったら?病院にはどうやってかかるの?など、様々な不安が生じるでしょう。「生活日本語教室」は、地域に住む外国人住民が日本で生活するうえで直面する事柄のうち、特に重要な場面の日本語を学ぶ教室です。「生活者としての外国人」が、日本語で意思疎通を図り、健康かつ安全に生活を送ることができるようになることを目指しています。

◆日時:2025年1月12日~2025年2月16日の毎週日曜日
          (全6回)13:30~15:30
◆場所:刈谷市国際プラザ 
◆教室参加者:学習者26人
       (出身:ベトナム11人・フィリピン5人・
       インドネシア3人・ミャンマー2人・
       中国3人・ブラジル1人・メキシコ1人)
       日本語サポーター 16人
 ※教室進行:教室コーディネーター1人
       教室補助者2人

教室では、「災害時の身の守り方」「119番のかけ方」「ごみの分別」「病院のかかり方」をテーマに取り上げ、それぞれのテーマにおいて専門家の講師を招き、外国人住民が地域社会で生活していくために必要な基礎知識とそれに関する日本語を学びました。また、学習者は日本語サポーターとの対話活動を通して、教室で学んだ内容の理解を深めました。

◆各回のテーマ
 第1日目:災害① 「災害のときの身の守り方」
    [講師:刈谷市危機管理課 五十嵐克巳さん]
 第2日目:災害② 「非常持ち出し品を考えよう・
            避難所を探そう」
 第3日目:ごみ  「刈谷市のごみの分別」
    [講師:刈谷市ごみ減量推進課 三浦雅也さん]
 第4日目:119番 「119番のかけ方・
            心臓マッサージ体験」
    [講師:刈谷消防署 藤井 太壱さん]
 第5日目:病院① 「病院のかかり方」
    [講師:看護師 平池香恵さん]
 第6日目:病院② 「かかりつけ医を探そう」

 第1・2回目は、日本の災害のこと、災害の時の身の守り方について学びました。地震が起こったらどうなるか、震度とは何かを、震災の映像や写真などを通して知り、緊急地震速報の音が鳴ったらどう身を守るかを練習しました。また、昨年8月に初めて出された「南海トラフ地震臨時情報」や洪水や浸水の危険が高まったときの「警戒レベル」についても取り上げました。非常持ち出し品は?どこの避難所に行けばいいの?など、自分自身が何を準備すべきかを考える時間をもち、災害に対する備えの大切さを学びました。学習者からは「文章を学ぶだけではなく、危険に遭遇した場合の対処法を学ぶことができました。」「たくさんの知識を得ました。必要な物の集め方がわかりました。」「日本で起きるたくさんの災害について学びました。実際の状況(ビデオ)はとてもショックで恐ろしいものでした。」といった声がありました。

 第3回目は刈谷市のごみの分別について学びました。どうしてごみの分別が必要なの?ごみの種類は?ごみ出しのルールって?など、外国人住民にとっては複雑に思える日本のごみ分別。教室に「ごみ」と「ごみ袋」の実物を用意し、講師がひとつひとつ丁寧に説明することで、参加者には分別を体感しながら学んでもらうことができました。外国人住民からは「これまで絵を見ながら一生懸命ごみを分別しようとしてきました。しかし今日はマークがあることを学びました!」「日本では、ゴミの分別がとても細かいこと、私はその半分しかできていないことに気づきました。」「ごみをどこに捨てるべきかという疑問が解消しました。」といった感想をもらいました。

 第4回目のテーマは119番のかけ方でした。国によって異なる緊急時通報の仕組み。119番に電話したらどこに繋がりどうなるのか、電話したら何を聞かれ、まず何を言えばいいのかなど、仕組みから通報の仕方までを講師が具体的に説明しました。学習者が日本語サポーターと119番のかけ方を練習し、少し自信がついたところで、「講師の藤井さんとの練習してみたい人!」と教室コーディネーターが訊きます。3名の学習者が手を挙げ、藤井さんと練習しました。そのあとはいよいよ119番通報訓練。学習者2名がドキドキの通報訓練にチャレンジすることができました。教室の最後には、講師の指導のもと心臓マッサージ(胸骨圧迫)体験も行いました。
学習者からは「緊急時119番に電話し、実際に応答する人と会話ができたことは素晴らしいことでした。」「119番を対応してくれるチームの組織力には今でも驚かされます。特に消防署と救急車の連携は素晴らしいです。対応時間の早さも素晴らしいです。」「助けを求めるのが怖くなくなり、難しい状況でも遅れることなく適切に助けを求めることができます。」といった感想がありました。

 第5・6回目は病院のかかり方を学びました。異国で病院にかかることは、誰にとっても簡単ではありません。日本の病院のしくみ、病院に行くときに持っていくもの、身近なクリニックと総合病院の違い、専門科など、病院にかかる上で欠かせない基本知識を学びました。文部科学省がオンラインで公開している『「生活者としての外国人」のための日本語学習サイト「つながるひろがる にほんごでのくらし』のビデオで、病院の受付~薬局までの流れを確認した後は、学習者の母語で読める多言語問診票を使い、問診票の記入に挑戦。記入が終わったら、医師になりきった日本語サポーターと、診察場面の練習をしました。その後は、数名の学習者が講師である看護師の平池さんと、実際の病院での場面さながらのやりとりを体験しました。第6回目には、「では実際にどこの病院にかかればいいのか?」をテーマに、内科、整形外科、歯科など、学習者自身が住んでいるところから身近なクリニックを探す活動を行い、医療MAPを完成させました。
「非常に有益で実践的なレッスンです。」「今までで一番難しいレッスンです。でも講師と先生のおかげで理解しやすくなりました。」「病気の時にどこへ行くべきか、またそこに行くために何を持っていくべきかを理解することができました。」などの感想が学習者からありました。

 第6回目の教室の最後には、茶話会を行いました。普段の生活のこと、仕事のことなど、今後のことなど、教室では話しきれなかったことについて話し、交流を深めました。
みなさんが笑顔でお話しする姿が印象的↓↓↓
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昨年度に引き続き、今年度の生活日本語教室もにも多くの学習者が申し込んでくれました。
参加してくれた皆さま、ありがとうございました!
協会では、地域に住む外国人住民が健康で安全にそして少しでもスムーズに日本で生活できるよう、今後も様々な取り組みをしていきます。

2025.02.08ワールドキッチン・日本編 太巻き寿司を作ってみよう

今回はKIFAVの文化交流グループの皆さん(9人)に、
日本食の文化紹介として太巻き寿司の作り方を教えてもらいました。

☆日 時:2025年2月8日(土)10:00-13:30
☆場 所:国際プラザ(刈谷市民交流センター2F)
☆講 師: KIFAVの文化交流グループの皆さん(9人)       
☆参加者:アイシン学園の海外生15人と引率の日本人2人
    (五十音順/インド・インドネシア・タイ・台湾・
          中国・トルコ・フィリピン)
☆メニュー:太巻き寿司・細巻き寿司・お吸い物
      ①お米を炊いて酢飯を作る
      ②卵焼きを焼く
  ③かんぴょうの甘辛煮・しいたけの含め煮 
      ④きゅうりを1/6に切る
  ⑤お吸い物の準備

 今回のゲストは3日前に来日したばかりのアイシン学園海外研修生15人。雪降る中、バスに乗ってきてくださいました。日本に来たばかりでいろんなことが目新しく、この寒さや長旅の疲れもあったことでしょう。そんな状況の中、文化交流Gの皆さんに倣って太巻き寿司を作り、初めて自分で巻いた寿司を食べながら、日本のさまざまな寿司文化についても学びました。

2025.01.262024年度後期 KIFAV日本語教室ボランティア入門講座

刈谷市国際交流協会では、地域での社会貢献に興味がある人やKIFAV日本語教室にボランティアとして参加したい人を対象に、年に2回「日本語教室ボランティア入門講座」を開催しています。今回は以下の日程で行い、現在教室で活動中のボランティアが講師を務めました。

■日 時 :①1月19日 (日)    9:30~11:45
      ②1月26日 (日) 13:30~15:30
      (全2回)
■場 所 :刈谷市民交流センター
      (国際プラザ・社会教育センター)

○講座内容
【1日目】
・刈谷市国際交流協会及び親善ボランティアの紹介
・この地域の外国人住民の状況について
・教室活動紹介
・教室見学
・グループワーク

【2日目】
・国語(学校)教育と日本語教育の違いについて
・意見交換会
・刈谷市国際交流協会の日本語支援体制について
・スリーエス(外国につながりを持つ子どもたちの学習支援団体)について
・質疑応答、ボランティア登録

1日目、日本語支援グループリーダーから教室活動についての紹介説明を聞いた後に、実際の教室を見学しました。最近の日曜教室は40~50人程度の学習者が参加しています。クラスは入門、初級(みんなの日本語6~50課)、会話、小中学生支援と、学習者のニーズによって細かく分かれており、受講者の皆さんは各クラスの様子を熱心に見学していました。
教室見学から戻った後はグループワークを行いました。自分が(日本にやってきた)外国人になったつもりで、「日本に来てびっくり驚くことは何?」「通いたくなる日本語教室はどんなところ?」というテーマで話し合いました。

2日目には先輩ボランティアとの意見交換会を行いました。ここまで聞いた説明や教室見学によって感じた疑問や不安、ボランティアの皆さんがどんな思いで教室に参加しているかなど、たくさんの先輩ボランティアが協力してくれて意見を交換しました。今回は講座受講者が例年に比べて少なったのですが、その分、じっくり話をすることができたかもしれません。

登録してくれた新ボランティアの皆さん向けには、今後、具体的な教え方や教室の進め方を学べるフォローアップ講座を実施します。その後、各曜日の教室に参加したり見学したりした後、4月から本格的に教室活動に参加していただく予定です。

2025.01.25KIFAボランティア研修会「多文化社会のコミュニケーション」

 刈谷市国際交流協会では、毎年ボランティアのスキルアップを目的とした研修会を開催しています。今年のテーマは「多文化社会のコミュニケーション ~マイクロアグレッションを考える~」です。まずはマイクロアグレッションの概念を知り、多文化社会の中の一つのコミュニケーションスキルとして前向きに考える講義と、当事者として参加してくださったゲストスピーカー7人の体験談をもとにグループディスカッションをしました。

日時:2025年1月25日(土) 13:30~15:30
場所:国際プラザ
講師:塚本江美先生
    (名古屋短期大学 英語コミュニケーション学科准教授)

 今回のテーマである「マイクロアグレッション」は、英語の「小さな」という言葉と「攻撃」という言葉を組み合わせた造語で、「自覚なき偏見と差別」という意味合いで使われている言葉です。参加者のほとんどがこの言葉を聞いたことがないと答えていました。それは無理のないことで、この言葉と概念についての研究書がアメリカから日本に輸入され、翻訳本が出版されたのは2020年頃、つまり約5年前のことだそうです。そんな中、塚本先生がはじめにこの研修会の目標を次のように指し示しました。

 ①外国につながる人とのコミュニケーションを
  より良くすること
  → 外国にルーツ・アイデンティティを持つ
    人(多様な属性の人)との
          より良いコミュニケーションを目指す
 ②自らが持つマイクロアグレッションに向き合う
  → 「自分も傷ついているのでは? 
     傷つけているのでは?」という
     視点を知る/考える

 そこからは、科学的な根拠やこの概念が現れた時代背景と変遷を少し学術的なお話も交え、さらに具体的にマイクロアグレッションとは何かを紐解いていきました。衝撃的だったのは、マイクロアグレッションの日常的な蓄積が心身の健康被害を引き起こすというものでした。1時間の講義の後に、各グループに配置されたゲストスピーカーのみなさんに、話せる範囲でそれぞれのマイクロアグレッションの体験を話していただきました。ここで耳にした貴重な生の声は、参加者みなさんの心に届いたようでした。それは個人的な経験でもあり、様々な物語や背景、宗教や文化・慣習に因るものなので、こうした具体的な事例に対して、ではどうすれば良いのかについてもグループ内で話し合い、最終的にどんなディスカッションだったのか全グループで共有しました。

 結論は「簡単な解消方法はない」としても、この研修会の目的「より良いコミュニケーションを目指す」ためには、コミュニケーションに対し萎縮・躊躇があってはならないと感じました。塚本先生の資料では下記のようにまとめられています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
〈嫌なことは嫌であると勇気をもって伝える〉
〈気づかずに言ってしまったら、その軽率さを謝ろう〉
〈故意であってもなくても傷ついている人を見つけたら、
   寄り添う〉
〈コミュニケーションを諦めない〉 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 研修会を終えて、ゲストスピーカーと参加された方々から前向きな意見が届いてきています。デリケートなテーマではありましたが、みなさんの反応から今回の研修会はとても有意義だったと実感しました。また今回参加できなかった方々にも今後このような機会があれば是非、耳を傾けて一緒に考えていただきたいと思いました。理解したこと・学んだこと・感じたことを活かして、ボランティア活動のみならず様々な場面に役立ててくださることを切に願っています。

 「マイクロアグレッション」という概念が世間一般で見聞きするようになる時、塚本先生がおっしゃるように「他者を思いやる人間関係が、社会も自分も幸せにする」
そんな多文化社会であってほしいと思います。