2023.07.01世界をのぞこう!~ブラジル編~絵本を出版しました

毎回その国の出身者や滞在経験のある方を講師にお招きして、現地での生活や文化についてお話を聞くイベントです。

今回の「世界をのぞこう!」は、情熱の国ブラジル

☆日  時:2023年7月1日(土) 13時30分~15時
☆場  所:国際プラザ(刈谷市民交流センター2F)
☆講  師:高松 洋子 さん

高松さんは、JICA日系社会青年ボランティアとしてブラジルに派遣されていた経験を持ち、刈谷市小学校教諭でもあります。ブラジルの文化や生活をはじめ、日本で担任した児童とブラジルで再会したこと、現地で学んだこと、絵本出版に至った経緯などをお話ししていただきました。子どもから大人まで総勢38名の方々がお話を聞きに来てくれました!

【ブラジルってどんな国?】Brazil国旗.jpgのサムネイル画像のサムネイル画像
ブラジルは日本の反対にあり、ウルグアイに次いで遠い国です。世界で5番目に広大な国土を持つ中南米最大の国で、その国土は日本の約25倍。そんな遠くて大きい国ブラジルにも、お寺をはじめラーメンなど、日本のものが沢山あるそうです。他にもブラジルの国旗の意味をクイズ形式で説明したりするなど、ブラジルという国を身近に感じられるように分かりやすく教えてくれました。

【JICAって何?】
JICA(独立行政法人国際協力機構/ジャイカ)は、日本のODA(政府開発援助)を一元的に行う実施機関として、開発途上国への国際協力を行っています。その事業の一つが、日系社会青年海外協力隊派遣。中南米の日系社会で自分の技術や経験を生かしたいという意欲を持っている人を派遣し、現地の人々とともに生活・共働しながら中南米地域の発展を支援します。ブラジル人が多い愛知県に住む高松さんも、もしポルトガル語ができれば地域の外国人住民の方の役に立つことができるのではないか、仕事の幅が広がるのではないか、そんな思いで日系社会青年海外協力隊のボランティアとしてブラジルへ赴任しました。

【ブラジルの学校って?】
高松さんが派遣されたのは児童数1300人、幼稚園から高校まである私立学校。2017年から約2年間、日本の文化と 日本語を教えました。学校ではおやつタイムがある、キャリーバッグで登校するなど、日本とブラジルの学校の様々な違いや意外な事実をお話ししてくれました。言葉の違いや習慣の違いに戸惑い、自分の必要性を模索しながらも、受け身から攻めへ思考を転じることにより現地の活動をどんどん広げていったお話しに刺激を受けた参加者も多かったはず。帰国後は、働き方や考え方に変化があり、日本語教師の資格を取り、さらに今回の題名にもある絵本を出版するに至ったそうです。

【そして絵本出版へ】
日系ブラジル人について考えたことがありますか?日系人とは、日本以外の国に移住しその国の国籍または永住権を取得した日本人、およびその子孫のこと。高松さんは、日本で担任した児童であり日系人のカウアン君とブラジルで再会し、帰国後にカウアンを主人公にした絵本『ぼくは、カウアン』 を2023年に出版しました。カウアン君の日常の話から、子どもたちに多様性を受け止めるとは何かということを考えてほしいという思いを形にしたものです。

盛りだくさんの話の後は質疑応答。たくさんの参加者の方から時間いっぱいになるまで様々な質問がでましたね。
参加後のアンケートでは「思い切ったことをしてみたいと思った」「JICAの活動や世界、いろんな国に興味を持ちました」「いろんな国に行ってみたいと思った」「日本人はとても閉鎖的な環境で生活しているんだなあと思った」「日系人と日本人の違いなど、楽しみながら学べました」「目標をもって楽しく過ごすのは素晴らしい」など、たくさんの感想が寄せられました。

協会では、今後もこういった企画を通じて市民の方が諸外国への理解を深める機会を提供していきます。次回の「世界をのぞこう!」もお楽しみに!

2023.06.25 KIFAV文化交流グループ イベント たなばた

愛知教育大学留学生に日本の文化を知ってもらうことを目的として、「たなばた」の交流会を実施しました。

○日 時:2023年6月25日(日)14:45~16:45
○場 所:国際プラザ
○参加者:26人 (愛教大留学生10人:インドネシア、中国、ブラジル、タイなど、KIFAボランティア16人)

ゆかた体験として留学生、ボランティアが浴衣を着て、日本の風物詩である夏のひとときを堪能してもらいました。
浴衣の着付けが終わった人から、たなばた飾りの体験は短冊に願い事を書いて笹に吊るしました。
最後にお抹茶、季節の和菓子をたしなんで頂き、日本伝統の食文化にもふれてもらいました。

【ボランティアの感想】
食べる、飲む、着るという実体験を通して日本の伝統文化に触れていただき、留学生のみなさんの記憶に残ったのではと思っています。私たちも日本文化を留学生とともに実践、感動を共感できました。貴重な体験になり、良いイベントだったと思います。

2023.06.17ワールドキッチン・台湾編  台湾の料理を作ってみよう

 ワールドキッチン・台湾編。今回は台湾のちまきと、台湾の家庭料理のスープ蕃茄蛋ふぁんちぇだんふぁーたんを、台湾出身の黄(コウ)アリスさんを講師に迎え教えてもらいました。Taiwan.pngのサムネイル画像のサムネイル画像のサムネイル画像

☆日 時:2023年6月17日(土)
            10:30~14:00
☆場 所:国際プラザ
         (刈谷市民交流センター2F)
☆講 師:黄(コウ)アリスさん

**台湾の粽(ちまき)とは?**
旧暦5月5日(今年は6月22日)の端午の節句は台湾の伝統的な風習で1年の中で重要な行事となっています。
台湾の粽は笹の葉で作った三角形が特徴ですが、具材は地方によって違いがあります。 台湾北部の粽は、炒めたもち米に豚の角煮や塩漬け卵、ピーナッツなどを入れて笹の葉で包み蒸したもの。 台湾南部の粽は、もち米とピーナッツやしいたけ、栗などの具材を笹の葉で包み茹でたものです。

**蕃茄蛋花湯(ふぁちぇだんふぁーたん)とは?**
台湾の家庭料理の簡単なスープです。「蕃茄」はトマト、「蛋」は玉子、「湯」はスープの意味。「蕃茄蛋花湯(ふぁんちぇだんふぁーたん)」はスープにトマトを入れて、浮いた玉子が花のように咲いているように見えることからこう呼ばれています。

台湾粽づくり、今回作ったのは台湾南部ものです。粽に入れた具は、煮豚、椎茸、栗、ホタテ貝柱など。米はもち米です。
もち米をフライパンで炒めて、粽に入れる具が揃ったら、包む工程に入ります。

笹の葉を二重にして上に少し油を塗り、三角錐の形を作ってそこに具材を詰めて巻いていくのですが、包むのに皆さんは思いのほか苦戦!先生の見本を何度も確認しながら包みました。

包み終わったら、つるしたタコ糸でくるりと二回巻き、しばります。ここも微妙な力加減が必要!
鍋にお湯を沸かし、包み終わったちまきを入れて、一時間ぐつぐつ。その後30分ほど蒸らします。

蒸らしている間にスープ作りです。
玉ねぎと椎茸を炒めた後トマトを加え、トマトが柔らかくなったら水を加えます。
鍋に移して溶き卵、セロリ、チンゲン菜などを入れて出来上がり!

粽がゆであがるのを待つ間、講師の黄さんから台湾粽の文化について説明してもらいました。台湾ちまきはいつ食べるのか、地域による作り方の違い、おすすめのちまき屋さんなど、台湾と食に関わる様々な話を聞くことができました。

参加者は皆さん完食!「おいしい」「お腹いっぱい」五香粉お香りがほんのりする具だくさんの台湾南部粽と、栄養たっぷりのヘルシースープに大満足でした。

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2023.06.04KIFAV国際イベントG お料理フェスタ ~暑い時に食べたい世界の料理~

KIFAV 国際イベントグループが「お料理フェスタ」を開催しました。

☆日 時  2023年6月4() 10:0014:00
☆場 所  刈谷市総合文化センター 3F 実習室
☆講 師  フィリピン(2名) 香港(1名)、日本(1名)
☆参加者  26名【メキシコ(1名)、フィリピン(1名)、台湾(1名)、ベトナム(4名)、日本(10名)、イベントG(5名)】

フィリピン、香港、日本のグループに分かれてそれぞれ調理を行いました。
完成した料理をみんなで味わって、交流しました。 

今回作ったメニューは、
・フィリピン:お粥【ルーガウ】、フルーツサラダ、白芋の焼き菓子
・香港:マンゴーのデザート【楊枝甘露(ようじかんろ)】
・日本:冷やし中華、ナスの煮びたし、わらび餅
でした。

【参加者の感想】
「同じ食材でも、国が変わると使い方や調理方法が違うので驚いた。」

「楊枝甘露はマンゴーがとてもおいしく夏にぴったりなデザートでした!」

「わらび餅が粉からできていることのとても驚いた!」(ブラジル人参加者)

「フィリピンのルーガウには様々な具材が入っている割に優しい味。暑くて食欲が落ちる夏場に食べたくなる料理だった。」

人類共通の"食"というテーマを通して、国の違いを感じることができ、改めて「食は文化だ!」と感じることのできるイベントでした。

#国際イベント #国際交流 #ボランティア #食は文化 #刈谷  #クッキング #料理

2023.05.27ウクライナ画学生絵画展を開催しました

ウクライナ西部の都市・リヴィウにある国立芸術アカデミーの美術学生の絵画作品を、国際プラザで展示しました。また、5月27日(土)には、現在愛知県内在住の画学生であるエリザベータさんを会場に招き、交流会を行いました。

画像:ウクライナ国旗.gif「ウクライナ画学生絵画展」 


日 時:5月25日(木)~6月4日(日)
    9:00~17:00
会 場:刈谷市国際プラザ ラウンジ (入場無料)
共 催:一般社団法人ウクライナ人道支援ジャクユーサポート
協 力:恵舟庵アート・スタジオ

この美術展と交流会は、一般社団法人ウクライナ人道支援ジャクユーサポートのご協力により開催することができました。ウクライナ西部にあるリヴィウ国立芸術アカデミーの学生たちによるデジタル画21点を展示、また支援に賛同した刈谷市内の絵画教室 恵舟庵アート・スタジオの画家たちによる作品11点も展示しました。
期間中は刈谷市だけでなく近隣にお住まいの方も多く訪れ、「ウクライナに平和が訪れますように」「頑張ってください」「ウクライナの人のためにできることを日々探しています」など、たくさんのメッセージが書かれたひまわりカードがボードを飾りました。

5月27日には、ウクライナの首都キーウ近郊から日本へ昨年3月に避難したコロトコヴァ・エリザベータさんと、ジャクユーサポートの葛西さんを招き、交流会を開きました。葛西さんもウクライナ侵攻によりキーウから日本への帰国を余儀なくされた経験を持ちます。
交流会前半では、エリザベータさんからご自身の作品3点に込めた思いや日本の印象などについて話してもらいました。「名古屋城」の絵には日本に来たばかりの頃の思いを、また「REMEMBER ME」の文字が描かれた女性の絵にはウクライナのことを忘れないでほしいという思いを込めたそうです。日本に来て一年とは思えないほどの流ちょうな日本語に、参加者は皆驚かされました。
交流会後半は、葛西さんから現地の状況やジャクユーサポートが行っている支援についてパネルを使って説明がありました。参加者からの質問もあり、現地での生活のこと、避難時のことなど多くのことをお話ししていただきました。

戦争開始から一年以上経った今も、ウクライナの人たちは厳しく不安な毎日を過ごしています。この美術展と交流会に寄せていただいた皆様のメッセージのように、一日も早くウクライナに平和が戻ることを願ってやみません。

2023.05.20KIFAV文化交流グループ 勉強会 つまみ細工

講師を招いて日本の伝統工芸である「つまみ細工」を勉強しました。 

○日 時:2023年5月20日(土)10:00~13:00
○場 所:国際プラザ
○参加者:12人

はじめにつまみ細工について説明があり 200年前の江戸時代に宮中の女官大名の奥女中が趣味として楽しんだ「和小物」の技法が始まりであるとお話を聞きました。
制作するものは、バッグチャーム、ブローチ、帯飾り、2Wayクリップの中からひとり2点ずつ。沢山の布から各自好きな色を選びました。
糊の付け方や位置など、技法を習って思い思いの作品を完成させました。
同じデザインを選んでも、選ぶ布の色柄で個性が出るのがとても面白かったです。

【ボランティアの感想】
私たちの事業の中には「和」に関するものが多くあります。
和文化を楽しむ人も増えているので、伝統の技法と現代のセンスが取り入れられた「つまみ細工」を知ろうと思い、まずは作る体験をしてみました。
初心者でも作れる作品で、参加者全員が素晴らしい作品を作ることができ、完成後の撮影会では満足感いっぱいの笑顔でした。
今後、この勉強会で覚えた技法でゲストと作ったり、メンバーが作ったつまみ細工で着物イベントの時に髪に飾ってもらうなど、日本の伝統文化を共に楽しみたいと思います。

2023.05.14KIFA 親善ボランティア交流会

5月14日(土)、国際プラザラウンジにてKIFA親善ボランティア交流会が開催されました。 当日は協会親善ボランティアに加え、はなそう にほんご日本語パートナー、スリーエスのメンバーの、計44名が参加しました。

ボランティア各グループから、今年度の活動予定について報告がありました。交流会は4年ぶりの開催となり、各グループのこれからの活動がとても楽しみになる内容でした。

グループ報告の後は歓談タイムです。 久しぶりに会える他グループの仲間たちと、お菓子やお茶を片手に会話が弾みました。

話が盛り上がってきたところで、ミニコンサートが始まりました。 刈谷音楽協会より、クラシックギターの高須大地様、フルートの新野智子様をお招きし、華やかに演奏会を行っていただきました。 カーペンターズの "Top of The WORLD" の演奏時には懐かしのメロディーを口ずさむ声や手拍子で楽しむ皆様の姿が見られ、たいへん盛り上がりました。 

一時間半という短い時間ではありましたが、これから再開していく活動に向けて絆を深める素晴らしい会となりました。

ボランティアに興味がある方、何か新しいことを始めたい方、刈谷市周辺に住む外国人の方と交流したい方、ぜひボランティアの活動イベントに参加してみませんか。 お問い合わせをお待ちしております。

2023.05.13KIFAV国際イベントG「刈谷散歩~井ヶ谷地区を歩こう~」

○日 時:2023年5月13日(土)12:20~17:33
○場 所:刈谷市井ヶ谷地区
○参加者:14人 (中国、タイ、メキシコ)

【当日の散歩コース】
1.小堤西池のカキツバタ群落
2.洲原公園 
3.洲原神社 
4.井ヶ谷古窯群、松根4号窯
5.愛知教育大学 文化祭見学

当日雨が降ってしまったことが残念でしたが、ふるさとガイドボランティアの方々に柔軟な対応をしていただいたおかげで、みんなで楽しく刈谷市の花や名所にまつわる歴史に触れることができました。

【参加者の感想】
「カキツバタを守る会の方にカキツバタの花が開く瞬間の動画を見せてもらったのは感動した。天気の良い日にもう一度行って、その瞬間を自分の目で見てみたい。」

「正しい神社参拝の仕方や、文化、マナーを初めて知った。知らなかったことがたくさん知れてよかった。これから神社に訪れるときはマナーを守って、一緒に行く友達にも教えてあげたい。」

「雨だから見られなかった場所もあったのが残念だけど、昔のお話を聞いたり資料を見せてもらったことで、当時(700年前)の刈谷はどんな町だったか想像して楽しかった。刈谷の歴史についてもっと深く知りたいと思った。」

今後も市内の名所を外国人市民の方々に紹介することで、刈谷市をもっと好きになってもらえるようなイベントを企画していきたいです。

#KIFA #KIFAV #国際イベントグループ #ボランティア #刈谷市 #国際交流 #刈谷散歩 #井ヶ谷 #刈谷市文化財 #遺跡 #刈谷市歴史博物館 #刈谷歴博

2023.04.22【協会設立40周年】2023年度刈谷市国際交流協会総会 及び 記念講演会を開催しました

2023年度は、刈谷市国際交流協会が1983年に設立されてから40年を迎えます。日頃よりご支援いただいている会員の皆様、総会にご出席くださった会員の皆様に、あらためて感謝申し上げます。
協会設立40周年となる今年度は、以下の日程で刈谷市国際交流協会総会を開催しました。また総会後には、漫画家・タレントの 星野ルネ(ほしの・るね)氏を招き講演会を開催しました。

■日時:2023年4月22日(土)
   ○総会    14:00~
   ○記念講演会 14:45~15:45 
■場所:市民交流センター4階 ホール

総 会

1.会長挨拶
2.議  事
  ①2022年度刈谷市国際交流協会事業報告   
  ②2022年度刈谷市国際交流協会収入支出決算
    〔監 査 報 告〕  
  ③2023年度刈谷市国際交流協会事業計画
  ④2023年度刈谷市国際交流協会収入支出予算

表彰式

当協会は、協会運営やミササガ市との姉妹都市交流・多文化共生推進の事業において、多くの方のご尽力やご協力により運営してきました。これまで多大なご貢献をいただいた方や団体に感謝を込めて表彰式を行いました。
○表彰状授与者の皆様○
 永田 靖章 様(刈谷市国際交流協会前会長・愛知教育大学名誉教授)
 刈谷市国際交流協会親善ボランティア 様(文化交流G・日本語支援G・国際イベントG・通訳翻訳G・ホストファミリーボランティア)
 スリーエス 様(外国につながりを持つ児童・生徒のための放課後教室・取り出し授業)


講演会

 講師:星野ルネ(ほしの・るね)氏 漫画家、タレント
 演題:『アフリカ少年と考える多文化共生』

 講演会では、カメルーンで生まれ日本で育った星野ルネ氏が、自身が経験してきたユニークなエピソードを交えながら、私たちが生きる社会で多文化共生を実現していくためにどんな考え方や行動が必要かについてお話ししてくれました。
私たちと違う国、違う文化で育った人の行動は、時に奇妙に見えることがあります。しかし、その行動にはその人たちなりの合理的な理由があり文化的背景があります。バナナの皮を車の窓から捨てるか、捨てないか、日本の常識から言えば「捨てない」ことが正解かもしれません。しかし、カメルーンでは「自然の中に落とせば動物たちのごちそうになる」から「車の窓から投げても問題ない」のです。
自分が育った環境・文化での習慣や行動は絶対に正しいんだと思い込むと、相手と衝突することもあります。「それは日本の常識だけど世界では違う常識がある」からです。はじめから「非常識だ」と決めつけることなく、またステレオタイプに当てはめるのではなく、その人のバックグラウンドを知り理解しようとすることで、寛容になることができます。そこに多様性が受け入れられる社会の入り口があることを、ルネ氏は私たちに示してくれました。
「お客さんが驚くから」とアルバイトを断られた話、「ルネの血は何色なん?」と質問され「ぼくにとっては当たり前だけど、この子にとっては当たり前じゃないんだ」と驚いた話、英語ではなくフランス語が母国語であるのに「英語が話せないの?」と言われる話(ルネ氏はその後英語をマスターしました)など、笑いを交えつつ、多文化共生を考えるうえで必要な多くのことを、私たちに問いかけてくれました。

講演会終了後は出版された本の販売およびサイン会を行い、講演を聞いた多くの方がその列に並びました。ルネ氏は一人一人と言葉を交わしながら、一冊一冊丁寧にサインをしてくれました。
講演会を聞いた方々からは「聞いて良かった」「めちゃくちゃ面白かった」などの感想が聞かれました。

☆星野ルネ氏 プロフィール☆
1984年カメルーン生まれ。4歳の時に母の結婚に伴い来日し、兵庫県姫路市で育つ。高校卒業後、兵庫県内で就職をしたが自分の生い立ちが人々の関心や共感を集めることを発見し、25歳で上京。タレント活動の傍ら、ツイッター上で発表していた自分の日常のエッセイ漫画が話題となり、2018年8月に『まんが アフリカ少年が日本で育った結果』(毎日新聞出版)として出版された。他の著書に『まんが アフリカ少年が日本で育った結果 ファミリー編』(毎日新聞出版)がある。メディア出演をはじめ、「毎日小学生新聞」などでの連載多数。

2023.03.052022年度後期 KIFAV日本語教室ボランティア入門講座

刈谷市国際交流協会では、新しくボランティアを始めたい人や地域での社会貢献に興味がある人を対象に、「日本語教室ボランティア入門講座」を年2回開催しています。講師は現在教室で活動中のKIFAV日本語支援グループのボランティアが務めています。
2022年度後期の講座は、以下の日程で開かれました。

【日程】
◇1日目 3月 5日(日)9:30~11:30
◇2日目 3月12日(日)9:30~11:30

【講座内容】
◇1日目◇
・刈谷市国際交流協会及び親善ボランティアについての紹介
・日本語教室全体および各曜日の教室活動紹介
・グループワーク
・初期日本語教室について
・スリーエス紹介 など

◇2日目◇
・教科書・教具・教材の説明
・教室見学
・意見交換会 など

1日目のグループワークでは、自身の立場を外国人に置き換え、生活で困ることや困ったときにどうするかについて話し合いました。家探し、日用品をどうそろえるか、ごみの出し方、子どもの学校の課題はどうするか、また病気になった時や治安の心配など、言葉だけでななく文化や習慣の違いからくる不安についても沢山の意見が出されました。
2日目は、教科書や教材教具の使い方の説明などを聞いた後、教室見学をしました。見学は、小グループに分かれて行い、先輩ボランティアの説明を聞きながら各教室を回り、意見交換も行いました。
2日目の講座終了後には茶話会が開かれ、その日の教室を終えた学習者やボランティアとお菓子や飲み物を囲んで談笑しながら交流しました。

今回入門講座に参加した多くの方がボランティア登録し、4月からボランティア活動を開始する予定です。活動開始に先立って、3月中に2度フォローアップ勉強会を行い、日本語を教える方の基礎知識を学びます。
新しいボランティアの皆様と一緒に活動を始められる日が楽しみです!

※KIFAV日本語教室ボランティアに登録するには、この入門講座(年2回程度開催)を受けていただくことが条件となります。