【2018.07.28】世界をのぞこう!~ブラジル編~

世界の「文化」や「今」を紹介する
「世界をのぞこう!」
毎回その国の出身の方や滞在経験の豊富な方をお招きして、最新の社会情勢から生活習慣、郷土料理まで楽しいお話を聞くイベントです。

今回は「ブラジル編」
現在、刈谷市内中学校教員でJICA日系社会青年ボランティアOBの 清水 丈嘉(しみずひろよし)さんが講師をしてくださいました。
ブラジル、サンパウロの「ブラジリア学園」で日本の文化を伝える活動をして昨年帰国されました。

★ブラジルってどんな国?  
~清水が見てきたブラジルの人・旅・食について~

地理>
南半球の国で、サンパウロの緯度は日本と同じくらい。雨期と乾期があり、夏は日陰は涼しくてエアコンはあっても使わなかった。北の方(赤道近く)は季節は「夏」と「暑い夏」しかないと言われる。
<街並み>
地震の無い国のため、都市部は高層ビルやアーティスティックな建物も多い。
壁のスプレーアートも多い。
<人柄>
とても親切で人懐っこい。出会ってすぐに友達になれる。家に誘ってくれたり、直接面識のない友人の誕生パーティーや結婚式に誘われることもある。
学校の生徒も23日で仲良くなった。
全体的に体格がよく、女性たちもボリュームのある人が多い。(日本では子どものころから大きい方だった清水先生も人生で初めて集団の中で小さいという体験をした!)
おおらかで優しいが、ある意味適当・笑。工事の始末がいい加減で洗濯機の排水が溢れたことも。帰国してみると、時間をきっちり守る日本人が特別なのだと感じる。
<食>
肉をよく食べる。一人前のサイズが大きく、最初は全部食べられずシェアしていたがだんだん全部食べられるようになった。
ごはん、肉、ポテトフライ、豆の煮ものをワンディッシュに盛るのが普通。
有名な飲み物「ガラナ」は、もとは健康食品だったものが日常の飲み物として普及した。
<今日の試食>
ごはんにフェジョアーダ(豆と塩漬け肉とソーセージの煮もの)とケールのソテーをのせたものとガラナ

<旅・印象に残ったこと>
サンパウロ サッカーのコリンチャンス(サンパウロのチーム)の試合を見に行ったら、スタジアム中がコリンチャンスサポーターで埋め尽くされ、相手チームのサポーターは全くいなかった。(もしいたら騒動になってしまう。)
サントス コーヒー豆の産地で有名。歴史ある古い町で日本からの移民の船が着いた場所。入植地のトメアスの方向を指さしている日本移民の像がある。
トメアス 日本人入植者が開拓し、農協を作った場所。日本人とブラジル人が共に組合活動をしたことにより成功した。今現在も農産物を加工して出荷するなどして工夫している。
リオ リオのカーニバルは有名だが観光化されている。設営された観客席チケットは高価なため、地元民はTVで見る。地元のカーニバルはブロッコと呼ばれ、やぐらを建てて生演奏でみんなが踊る。

★ブラジルの日系社会について ~ボランティアの視点から~

中学校勤務6年で校長先生の勧めもあり、海外で活動する経験をしてみようとJICAのちきゅう広場を訪ねて日系社会青年ボランティアに応募。見聞を広めることができ、外から日本を見てみることもよい経験になると思った。
派遣先の学校では子どもたちに日本の季節の行事を体験してもらったり、日本ならではの食材を食べてもらったり、日本の歌を覚えて歌ったりして文化を紹介。課外授業では希望者を対象に日本語の授業も。
日本移民の出身地ごとに県人会もあり、そこではお母さんたちと料理をつくったり、子どもたちも含めてみんなで大きなお月見のちぎり絵を作って県人会室に掲示したりして楽しい思い出となった。日本の文化伝統を味わい、伝えていこうとしている日系人のみなさんは、ブラジルでの「日本人は信用できる(ジャポネス ガランチード)」といわれる誇りも同時に守っている。
ボランティアだからといって、あまり具体的に活動内容を想定して行くと、現地の事情とちがって思ったことができずにストレスを感じる場合もある。行った先の事情に合わせて自分ができることをして、なるべく現地に溶け込んで、味わってたくさんの経験をしてこようという柔軟な姿勢を持つとお互いにとって良い経験になると感じた。

 

前回の世界をのぞこう!の様子はコチラでご覧になれます。